辺野古に集まった市民を前に、涙を流す機動隊員の写真

 

 沖縄の米軍基地反対運動に取り組む奥間政則さんの講演をお聞きしました。現在、新しい米軍基地を建設するために埋め立てが進められている辺野古は、新聞やテレビで報道される軟弱地盤の問題の他に、アメリカであれば基地建設を認められない活断層があるそうです。辺野古は基地の適地などではなく、建設してはいけない場所なのだと教えていただきました。そして基地建設に反対する取り組みは、デモや座り込みだけではなく、地質学者が活断層の存在を指摘したり、奥間さんのような土木技術者が工事の問題点を追及したりと、様々な専門的な知識を持つ方がそれぞれの立場から声をあげ、行動しているそうです。

 

 今回の講演で忘れられないのは一枚の白黒写真です。基地に抗議するために集まった市民を排除するため、動員された機動隊の一人の男性。年齢は私より少し上の40歳くらいでしょうか。その機動隊員が涙を拭おうと目元に指をあてている写真です。高江ヘリパッドを建設する際に、全国から動員された機動隊が地元で訴訟になるケースがあったため、今は動員される機動隊は沖縄の方だと奥間さんはおっしゃいました。つまり沖縄の自然を守ろう、暮らしを守ろうと集まった市民と、平和を守ろう、沖縄の市民の生活を守ろうと機動隊になった隊員が対立させられているのです。涙を流している機動隊員の方は何を考えていたのでしょうか。そこに集まった市民の思いへの共感、自分の両親や祖父母と同世代の方を力づくで排除する悲しみ、その場に動員した権力への怒り、無関心な人への訴え。その写真は沖縄の方の苦しみを映し出し、助けてくれと叫んでいるようでした。