いのちと向き合うグリーフケア

 大切な人を亡くした深い悲しみに暮れている人に寄り添い、支えていくことをグリーフケアといいます。三条別院を会場に仏青交流研修会が開催され、緩和ケア認定看護師の小池宜子さんがグリーフケアについてお話ししてくださいました。

 一言でグリーフ(悲嘆、深い悲しみ)と言っても様々なかたちがあるそうです。ガンで少しずつ体調が衰えてゆく場合、事故や自殺で突然に別れが訪れる場合、また亡くなったのが連れ合いだったり、舅だったり母だったり子どもだったり。様々なケースがあります。その中で遺された人に現れる悲しみや孤独、そして怒りや憎しみといった感情、それはすべて正常な心の反応なのだそうです。負の感情は何とかしてプラスに転換してゆくものと思っていた私には驚きでした。そして私たちが大切な人を亡くした方を前にしたとき、何か気の利いたことを言う必要はなくて、発せられる言葉に耳を傾けて言葉を促してゆくことが必要だとおっしゃっていました。

 また死の体験旅行では大切な活動や大切な人が奪われてしまう辛さを疑似体験しました。私が葬儀や月参りでお会いする方は本当に大切な人を失った方もおられますが、その悲しみとはこんなにも大きいのかと気付かされました。私がその悲しみを前にしたとき、言えることは何もなく、その悲しみの深さを感じ、ただ聴くことしかできないのかもしれません。

 僧侶であってもそうでなくても、生きてゆく中で悲しみに触れることは誰もが経験することだと思います。そのときにただ沈黙し途方に暮れるのではなく、少しでも支えになれたら。次回の研修は2月9日、東京のお寺でグリーフケアに取り組んでおられる酒井義一さんからお話しいただきます。目の前の人の姿、言葉から逃れるのでなく、向き合ってゆけるよう、今後も学びを続けていきます。

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コメント: 2
  • #1

    町屋 瑠美子 (土曜日, 05 12月 2015 22:20)

    素晴らしい学びですね。母を亡くした時の事。幼い息子を亡くした時の叔父の嘆きを思い起こしました。言葉はいらないです。ふと洩れた言葉を、しっかり聴いてくれる人が居ればただそれだけでいいです。想像力と共感力は大切。

  • #2

    朝倉 奏 (水曜日, 20 1月 2016 15:39)

    町屋さんこんにちは。話に耳を傾けることの大切さは町屋さんの姿からも気付かされます。辛いこと、悲しいことがあったとき、またうれしいことがあったときにも隣で話を聞いてくれる人の存在は僕にとってもありがたいです。想像力と共感力に欠ける僕ですが、真摯な姿勢で声と向き合っていけたらと思っています。

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